捕食者と風雨に対する害虫のジレンマを発見 -捕食者は捕食するより大きな抑止力を及ぼす-

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 矢野修一 農学研究科助教、岡田瀬礼奈 農学部生(研究当時)は、捕食を避けて網上に産んだハダニの卵が、葉面の卵に比べて風雨で流失しやすいことを発見し、風と雨の相乗作用が卵を流失させることも解明しました。

 捕食者は饵动物を捕食して减らすだけではなく、饵动物に防卫努力を强いることでも损害を与えますが、その効果が际立つ例を报告します。农业害虫のハダニは、饵植物の叶の里に张った立体的な网の中で暮らし、平时は叶面に卵を产みますが、ハダニの卵を捕食するカブリダニに遇うと卵が捕食されにくい网上に产卵します。いつも网上に产卵しないので、そうすることで不都合があるはずですが、その事情は不明でした。また、雨が降るとハダニが减ると言われますが、雨が当たらない叶の里で暮らすハダニが何故减るのかについても谜でした。

 本研究结果から、ハダニが平时に网上に产卵しない理由と、ハダニが雨期に减る理由が説明できます。自然界の捕食者は、自ら捕食するよりもずっと大きな抑止力を害虫に及ぼしていることが予想されます。

 本研究成果は、2021年3月3日に、国際学術誌「Biology Letters」のオンライン版に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情报
研究者名
矢野修一
书誌情报

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Serena Okada and Shuichi Yano (2021). Oviposition-site shift in phytophagous mites reflects a trade-off between predator avoidance and rainstorm resistance. Biology Letters, 17(3):20200669.