后藤慎平 医学研究科特定准教授、金墻周平 同研究員、萩原正敏 同教授らの研究グループは、II型肺胞上皮細胞の一部の特徴を持つ細胞を作成し、この細胞を使用して、アミオダロンの副作用である肺線維症を改善しうる化合物を同定することに成功しました。
肺の机能维持には滨滨型肺胞上皮细胞が必须であり、この细胞は様々な呼吸器の病気に関係する细胞であることが知られています。しかし、滨滨型肺胞上皮细胞の机能を模倣でき、たくさんの化合物の中から薬を选び出す作业のために低コストで简便に利用可能な细胞が存在しなかったため、研究の大きな制约となっていました。
本研究では、复数の遗伝子を细胞に导入することで、滨滨型肺胞上皮细胞の机能を一部模倣できる细胞の作製に成功しました。この细胞を用いて、不整脉の治疗薬であるアミオダロンで诱発される肺线维症を改善する化合物を探索し、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを同定しました。今回作製した细胞は、滨滨型肺胞上皮细胞の机能异常に関係した疾患の解明に役立つことが期待されます。
本研究成果は、2021年1月25日に、国際学術誌「American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology」のオンライン版に掲載されました。

【顿翱滨】
Shuhei Kanagaki, Takahiro Suezawa, Keita Moriguchi, Kazuhisa Nakao, Masayasu Toyomoto, Yuki Yamamoto, Koji Murakami, Masatoshi Hagiwara, and Shimpei Gotoh (2021). Hydroxypropyl Cyclodextrin Improves Amiodarone-Induced Aberrant Lipid Homeostasis of Alveolar Cells. American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology, 64(4), 504–514.