養蚕学100年来の謎を解明 -カイコが脱皮する回数はどのように決まるのか?-

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 大门高明 農学研究科教授らの研究グループは、カイコの眠性(みんせい)変異体の解析から、カイコの脱皮の回数が決まるしくみを明らかにしました。

 カイコの幼虫は通常、4回の脱皮(=养蚕学用语で「眠」)を経て5齢幼虫となった后に、蛹へと変态します。しかし、カイコには幼虫の脱皮回数が3回に减ってしまう系统や、逆に5回に増えてしまう系统が存在しています。脱皮の回数は「眠性」と呼ばれる1つの遗伝子座によってもたらされますが、その详しいしくみは100年以上も未解明のままでした。本研究では、眠性遗伝子が生物のかたちをつくる贬辞虫遗伝子であること、そしてこの遗伝子は脱皮を引き起こすホルモンの生合成を调节することでカイコの脱皮回数を决定することを明らかにしました。

 贬辞虫遗伝子は动物の体制(ボディプラン)を决定する遗伝子として良く知られています。しかし本研究は、贬辞虫遗伝子が动物の生理学的な形质も制御することを示した画期的な成果となります。また、本研究の成果は昆虫の脱皮回数をターゲットとした昆虫の形质デザインや、あらたな害虫防除技术の开発へとつながるものと期待されます。

 本研究成果は、2020年12月12日に、国際学術誌「Current Biology」のオンライン版に掲載されました。

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図:カイコの脱皮回数が决まるしくみ
研究者情报
研究者名
大门高明
书誌情报

【顿翱滨】

Takaaki Daimon, Takashi Koyama, Gaku Yamamoto, Hideki Sezutsu, Christen K. Mirth, Tetsuro Shinoda, Show footnotes (2021). The Number of Larval Molts Is Controlled by Hox in Caterpillars. Current Biology, 31(4), 884-891.e3.

メディア掲载情报

京都新聞(2月2日夕刊 1面)に掲載されました。