希少树种などの输入広叶树材代替として北海道产シラカバを用いたギターを製作

ターゲット
公开日

村田功二 農学研究科講師、前川遥樹 同修士課程学生らの研究グループは、国内で主に紙?パルプ用のチップとして利用されているシラカバ(シラカンバ)/ダケカンバ材の音響特性を検討しました。その結果、シラカバ/ダケカンバ材はこれまでソリッドギター(空洞を持たない一枚板構造のギター)で使用されてきたハードメイプル、マホガニー、ローズウッドの中で比較的ハードメイプルに近い特性を持っていることが分かりました。また、研究で得られた音響特性値に従いボディにシラカバ材、ネックにダケカンバ材を使用したソリッドギターを試作しました。

本研究成果は、2017年3月17日から19日に开催された第67回日本木材学会大会にて报告され、运営委员长赏を受赏しました。

研究者からのコメント

左から、村田讲师、前川修士课程学生

生物多様性保全の観点から希少种の利用には注意が必要です。希少种にかかわらず木材资源の利用ではサステナビリティ(持続可能性)は重要なキーワードです。また、本研究でトレーサビリティ(追跡可能性)が容易な国产広叶树材が、トーンウッドとして十分に利用可能であることが分かりました。试作で用いたシラカバ材?ダケカンバ材はサステナビリティが确认された贵厂颁?认証林(叁井物产の森)から得られています。希少性や化粧性だけでなく、サステナビリティ?トレーサビリティもトーンウッドの选択肢になることを期待します。

概要

楽器で使われる材「トーンウッド」としてローズウッド、マホガニーなどの树种が利用されてきましたが、これらの希少な树种は絶灭の危机に濒しています。ワシントン条约の规制下でこれまで使用されてきたトーンウッドが使用困难になり、代替材の模索が始まっています。欧州ではトーンウッドとしてバーチ材(カンバ)が评価されているほか、国内ではこれまで用いられてこなかったケヤキやサクラ、トチノキといった木材によるギター製作が各地の工房で试みられています。加えて、これらの木材に热処理を施すことでヴィンテージ楽器の音响特性を再现する取り组みも行われています。

本研究グループは、资源量、安定供给の可能性(成长速度)などから、シラカバ、ダケカンバ、センダンを対象材料に选び、アタックの强さ、高次周波数の低下(倍音周波数构成)、振动のしにくさ、放出音の大きさ、縦振动の减衰(内部摩擦)、たわみ振动の减衰(内部摩擦)の六つの観点で音响特性を评価し、ハードメイプル、マホガニー、ローズウッドと比较しました。その结果、シラカンバ材とダケカンバ材は比较的ハードメイプルに近い特徴を持ち、センダンはマホガニーに似ていることが分かりました。またすべての対象树种で音の减衰が大きくサステイン(音の伸び)に劣ることを明らかにしました。

また、シラカバ材は160度で热処理することで高域の响きが改善し、210度で処理するとサステインがハードメイプル并みに改善することも分かりました。ダケカンバ材の场合はどちらの温度で热処理した场合でも、鸣りをハードメイプル并みに改善できました。カンバ材は热処理を行うことで、よりハードメイプルに近い楽器用木材として活用できる可能性を示唆する成果です。

详しい研究内容について