豊原治彦 農学研究科准教授と石井健一郎 地球環境学堂特定研究員は、株式会社エーアンドゼットとの共同で、外来魚として駆除されたブラックバスやブルーギルなどを利用して生物透明標本を作成する技術を開発しました。
本技术により制作された生物透明标本は、京都大学総合博物馆ミュージアムショップ、时计台记念馆1贵京大ショップほか、大阪市立自然史博物馆ミュージアムショップ、神戸市立须磨海浜水族园等において既に贩売が开始されています。
研究者からのコメント
左から、石井特定研究員、豊原准教授、安江泰司 株式会社エーアンドゼット企画広報社員
骨格透明标本は、本来は研究用に用いられてきた技术ですが、见た目が大変に美しい标本です。私たちはこの技术を利用して、琵琶湖の外来鱼駆除対策事业で捕获されたブラックバスやブルーギルを用いた教育教材?研究用标本を作れないかと考えました。これらの标本を博物馆や水族馆等にて贩売することで、外来鱼问题を広く知っていただくと同时に、理科教育教材として理科离れや生物离れが进んでいるとされる昨今の教育状况に対し、少しでも生物に兴味を持ち、问题意识を高めるきっかけになればと期待しております。
ポイント
- 现琵琶湖では外来鱼が渔业や生态系に深刻なダメージを与えている。
- 駆除された外来鱼の有効利用が望まれている。
- 本标本の制作には外来鱼として駆除されたり、水产业において养殖で死灭した鱼や混获された鱼を利用し、透明标本を安く大量に作製する技术を开発した。
- 透明标本を树脂に封入する技术を开発し、安全で利便性の高い製品の提供が可能になった。
概要
近畿の水瓶と呼ばれる琵琶湖は、多くの固有种が生息する极めて重要な水域と言えます。しかし、现在外来鱼の问题が大変深刻な状况にあり、特に琵琶湖の南湖と呼ばれる地域では、在来鱼がほとんど渔获されず本来の渔业が成り立たない状况が続いています。また、外来鱼は本来生息している生物を活発に捕食することから、生态系への悪影响が强く悬念されています。
そこで本研究グループは、琵琶湖の生态系および水产业?食文化を守るために、琵琶湖の外来鱼駆除対策事业で捕获されたブラックバスやブルーギルを透明标本にすることで、解剖せずに生物の骨格等を立体的に観察するための教育教材?研究用标本を开発しました。
骨格透明标本は、见た目が大変に美しく、多くの人に生物に対する兴味を持っていただく良い机会になります。また同时に、外来鱼问题にも関心を持っていただくことにもなります。これまで透明标本は、その作製に多大な労力と时间を要したため、値段が高く、一般に普及しませんでした。そこで本研究グループは、まず原材料となる鱼类などを外来鱼駆除された鱼や、増?养殖业の过程で死灭した鱼、大学の调査航海等で混获(目的としていない生物の捕获)された鱼を利用することで、原材料コストを削减しました。また、一度に大量に作製するシステムを构筑することでも、大幅に制作コストを削减しました。これにより、従来贩売されている透明标本の半额以下で同等の製品を提供することが可能になりました。
また、新たに树脂に封入する技术を开発し、安全かつ利便性の高い标本の作製に成功しました。树脂に封入された透明标本は、小学校の低学年くらいから安全に扱えることができます。身近になった透明标本で、多くの人に外来鱼问题を知っていただくとともに、生物に少しでも兴味?関心を持っていただくきっかけになることが期待されます。
透明化された鱼の例
掲载情报
- 京都新聞(12月18日 24面)、産経新聞(12月18日夕刊 8面)、日刊工業新聞(2月17日 19面)、日本経済新聞(12月18日夕刊 16面)および読売新聞(12月18日 34面)に掲載されました。