植物で组织ごとに异なる体内时计が働いていることを発见

ターゲット
公开日

遠藤求 生命科学研究科助教らの研究グループは、植物組織を高効率で単離する方法および特定の組織における遺伝子発現をモニタリングする方法など複数の新規解析手法を開発することで、時計遺伝子の概日リズムを組織レベル定量的に計測することに成功しました。

本研究内容は、2014年10月29日(英国时间)に英国科学誌「狈补迟耻谤别」のオンライン速报版で公开されました。

研究者からのコメント

远藤助教

体内时计は多くの遗伝子発现の制御に関わっていますので、花成や细胞伸长など体内时计によって制御されている生理応答の解析も、组织レベルで行っていく必要があることがわかりました。本研究で开発した手法を用いることで、こうした组织レベルでの解析が大きく进むことが期待されます。

また、维管束の时计机能を阻害するだけで植物の花の咲くタイミングを遅らせることができたことから、体内时计は植物の生长调节法开発の新たなターゲットになる可能性が期待されます。

ポイント

  • 植物ではこれまで困难であった组织単位での「时计遗伝子」発现の定量解析に初めて成功
  • 维管束の时计遗伝子の机能を阻害するだけで花の咲くタイミングを遅らせることができた。
  • 植物组织の体内时计机能は、植物の精密な生长调节法开発のターゲットとして期待

概要

これまで动物では、脳に存在する体内时计とその他の臓器に存在する体内时计の机能が异なることが知られていました。植物でも、动物のような体内时计の机能分担が组织レベルで存在する可能性は指摘されていましたが、组织単离に时间がかかるため、时々刻々と発现量が変化する体内时计に関わる时计遗伝子の発现を、定量的?経时的に测定することは困难でした。

そこで本研究グループは、各组织での时计遗伝子の発现を迅速に测定するために、组织単离时间を従来法の1/3以下に短缩しました。また、时计遗伝子の発现を非侵袭で测定できる「罢厂尝础法」を世界で初めて开発し、维管束に存在する时计遗伝子の性质が他の组织と大きく异なり、隣接する叶肉组织の时计遗伝子の発现に影响を与えていることを明らかにしました。さらに、维管束の时计机能を阻害するだけで植物の花の咲くタイミングを遅らせることにも成功しました。

本研究の结果は、植物がどのように时间を测りその情报を个体レベルで统合しているのかを解明する手がかりになるだけでなく、植物の组织単位の时计机能をターゲットにすることで植物の精密な生长调节法の开発が期待されます。


図:植物におけるこれまでの组织単离法と今回开発した组织単离法の违い

  1. これまでの方法では、緑色蛍光たんぱく质骋贵笔を植物の组织特异的に発现させ、プロトプラスト(酵素処理により细胞壁を取り除いた植物细胞)を単离し、さらに骋贵笔を指标に目的の组织を単离していた。この方法では単离した组织の纯度は高いが、时间がかかってしまうため(1时间30分~4时间30分程度)、时间とともに発现が変化する体内时计の解析には不向きであった。
  2. 今回开発した方法では、叶を短时间酵素処理することで、叶肉だけをプロトプラストとして単离した后、叶に酵素処理と超音波処理を组み合わせて行うことで、叶肉を破砕し表皮と维管束だけを効率よく単离することができる。これにより、组织単离に要する时间を30分以内に短缩することができ、时间経过に伴う発现量変化をほとんど気にすることなく组织レベルでの遗伝子発现解析を行うことができる。

详しい研究内容について

植物で组织ごとに异なる体内时计が働いていることを発见

书誌情报

[DOI]

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Motomu Endo, Hanako Shimizu, Maria A. Nohales, Takashi Araki & Steve A. Kay
"Tissue-specific clocks in Arabidopsis show asymmetric coupling"
Nature Published online 29 October 2014

掲载情报

  • 朝日新聞(11月17日夕刊 9面)、京都新聞(10月30日 28面)、産経新聞(10月30日夕刊 10面)および日刊工業新聞(10月30日 23面)に掲載されました。