かぶれの発症における血管周囲の免疫细胞の集积の重要性の解明

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椛島健治 医学研究科准教授、 江川形平 同研究員らと夏秋洋平 久留米大学医学部助教らの研究グループは、接触皮膚炎反応(かぶれ)を三次元可視化することにより、皮膚におけるSALTの存在を検証し、皮膚内に形成されたSALTを撮影することに成功しました。

本研究成果は、英国科学誌「Nature Immunology」誌の電子版に9月21日付け(英国時間午後6時)にて掲載されました。

研究者からのコメント

椛岛准教授

かぶれは皮肤疾患の中で最もありふれた疾患ですが、その机序の详细は长い间不明でした。

今回私たちは、かぶれが起こっている现场の3次元动画の撮影に成功しました。现在、かぶれ治疗の主流はステロイドの外?ですが、今回の研究成果によって、より颈厂础尝罢の形成を阻害する化合物が开発されれば?肤炎を制御できる可能性があり、今后颈厂础尝罢の役割のさらなる解析が求められます。

概要

これまで、皮膚以外の末梢臓器(肺?口腔/鼻粘膜?消化管?外生殖器)にはリンパ網内系組織が発見されていましたが、皮膚では1980年にSkin Associated Lymphoid Tissue(SALT:皮膚関連リンパ網内系組織)という概念は提唱されたものの、その実体は見つかっていませんでした。そこで本研究グループは、接触皮膚炎反応(かぶれ)を三次元可視化することにより、皮膚におけるSALTの存在を検証しました。

その结果、二光子顕微镜という特殊な顕微镜を用いることで、接触皮肤炎反応において、皮肤内に形成された厂础尝罢を撮影することに成功しました。さらに、厂础尝罢は定常状态では存在せず、免疫応答が起こっている时にのみ诱导されることを発见し、本研究グループはこれを颈苍诲耻肠颈产濒别(诱导型)厂础尝罢、すなわち颈厂础尝罢と名付けました。颈厂础尝罢は、マクロファージ?真皮树状细胞?エフェクター罢细胞が血管周囲に集簇することで形成され、この颈厂础尝罢の形成なしに接触皮肤炎反応が起こらないことから、颈厂础尝罢は少なくとも一部の皮肤炎反応の诱导に必须であることが示されました。

(左)真皮树状细胞とエフェクター罢细胞の集簇、(右)血管周囲に集簇する真皮树状细胞とマクロファージ

详しい研究内容について

かぶれの発症における血管周囲の免疫细胞の集积の重要性の解明

书誌情报

[DOI]

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Yohei Natsuaki, Gyohei Egawa, Satoshi Nakamizo, Sachiko Ono, Sho Hanakawa, Takaharu Okada, Nobuhiro Kusuba, Atsushi Otsuka, Akihiko Kitoh, Tetsuya Honda, Saeko Nakajima, Soken Tsuchiya, Yukihiko Sugimoto, Ken J Ishii, Hiroko Tsutsui, Hideo Yagita, Yoichiro Iwakura, Masato Kubo, Lai guan Ng, Takashi Hashimoto, Judilyn Fuentes, Emma Guttman-Yassky, Yoshiki Miyachi & Kenji Kabashima
"Perivascular leukocyte clusters are essential for efficient activation of effector T cells in the skin"
Nature Immunology Published online 21 September 2014

掲载情报

  • 京都新聞(10月7日夕刊 1面)および日刊工業新聞(9月23日 13面)に掲載されました。