今村博臣 生命科学研究科准教授、今田勝巳 大阪大学教授、大坪史歩 同大学院生らの研究グループは、緑色蛍光蛋白質(GFP)を改変して赤色蛍光蛋白質(RFP)を人工的に創り出すことに世界で初めて成功しました。蛍光蛋白質は、現代の生物?医学研究で欠くことのできないツールですが、組織や臓器といった厚い試料や長時間の観察に必要な赤色の蛍光蛋白質は、天然RFPから作った明るさが不十分なものしかありませんでした。
今回、研究グループはアザミサンゴのGFP(AG)に着目し、赤い光(600 nm以上)を発する蛍光蛋白質では最大級の量子効率を持つRFPにつくりかえることに成功しました。また、立体構造も明らかにし、赤色蛍光発色団形成に重要なアミノ酸とその立体配置を明らかにしました。これにより生体深部のイメージングに適した高性能RFPの開発が期待されます。
本研究成果は、2023年10月23日に、国际学术誌「笔狈础厂(米国科学アカデミー纪要)」にオンライン掲载されました。

「この研究を始めた当初は思ったように赤色の蛍光が现れずに苦悩しましたが、地道に検讨を重ねることで最初の骋贵笔由来搁贵笔の开発へとつなげることができました。蛍光蛋白质はその実用面が强调されがちですが、その発色団形成の仕组みも兴味深い研究対象です。本研究をきっかけに搁贵笔発色団形成の仕组みについての理解が深まることで、高性能な搁贵笔を论理的に设计して开発できるようになるはずです。」
【顿翱滨】
【书誌情报】
Hiromi Imamura, Shiho Otsubo, Mizuho Nishida, Norihiro Takekawa, Katsumi Imada (2023). Red fluorescent proteins engineered from green fluorescent proteins. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS), 120(45):e2307687120.