20年间の森林とニホンザルの个体数の変动―934人の「ヤクザル调査队」による成果―

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 森林は伐採後、長い時間をかけて変化するので、そこにすむ生き物にどんな変化が起きるのかを解明するには、息の長い調査が必要です。半谷吾郎 生态学研究センター准教授(旧:霊長類研究所准教授)らのグループは、全国から大学生主体のボランティアの調査員を募って「ヤクザル調査隊」を結成し、毎年夏に屋久島でニホンザルの個体数調査を継続しています。20年間にわたる調査の初期にサルが多く、食物も豊富だった伐採地では、2010年代以降、サルが食べないスギが多く生えることになったことにより、ニホンザルにとっての生息環境が悪化していきました。しかし、伐採地でのサルの減少は、2000年代前半には起こっており、多数のサルがたまたま同時に死亡したという偶然による変化が、生息環境の悪化によって強化されたことが分かりました。本研究は、野生動物の個体数変動は、偶然による変動と、環境の変化による決定論的なプロセスの両方が関与することを示しています。

 本研究成果は、2023年8月3日に、国際学術誌「Forest Ecology and Management」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください
934人のマンパワーで20年间のサルの数と森林の変动を解明!
研究者のコメント

「本研究に用いた20回の调査に参加した人はのべ934人、1989年の第1回の调査以来の参加者は、1600?を超えます。『ヤクザル调査队』は、野生动物の长期にわたる个体数変动についての贵重な资料を蓄积するとともに、多くの若い?たちの学びの场でもあるという、稀有な存在です。わたし自身も、多くの仲间たちとともにこの调査を运営することで、研究者として育ててもらいました。ともに屋久岛の?の中で苦楽を共にし、今はそれぞれの人生を生きている、年齢も住む场所も职业もばらばらな调査队翱叠翱骋のみなさんとともに、成果を世に出せたことを喜びたいと思います。论文は出ましたが、『ヤクザル调査队』は终わりません。これからも调査を続ける决意を込めて、论文のタイトルに、『中间报告』とつけました。」

研究者情报
研究者名
半谷 吾郎
书誌情报

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【书誌情报】
Goro Hanya, Shin-ichi Yoshihiro, Hiroki Yamamoto, Yosuke Ueda, Fumiya Kakuta, Masashi Hiraki, Yosuke Otani, Yosuke Kurihara, Yuki Kondo, Shuhei Hayaishi, Takeaki Honda, Tomomi Takakuwa, Tomoya Koide, Shuji Sugaya, Takashi Yokota, Sakura Jin, Izumi Shiroishi, Masaya Fujino, Yoshiharu Tachikawa (2023). Two-decade changes in habitat and abundance of Japanese macaques in primary and logged forests in Yakushima: Interim report. Forest Ecology and Management, 545:121306.