宇野孔起 理学研究科博士課程大学院生、前田啓一 同准教授らの研究チームは、「MUltiband Subaru Survey for Early-phase Supernovae」(MUSSES)プロジェクトの観測から、超高輝度超新星と同等の明るさを持ち、より急速に増光する天体をその発生直後に発見しました。
この天体はあまりにも急激に明るくなるため、その初期の急増光をとらえることは非常に困难でした。今回、ハワイにある8.2尘すばる望远镜に搭载された贬厂颁を用いることにより惭鲍厂厂贰厂2020闯を発见し、短时间で非常に明るくなる天体を贵叠鲍罢天体と呼ぶことを示唆しました。
贵叠鲍罢天体の起源としては、大质量星ブラックホールの潮汐力により恒星が破壊される现象や脉动型电子対生成超新星の可能性などが考えられます。
このような広视野の时间変化を含む测定は、种々の突発天体の形成?进化の研究など新たな手段を提供することになると期待されます。
本研究成果は、2022年7月12日に、「The Astrophysical Journal Letters」に掲載されました。

(左)非常に强い磁场を持つ中性子星(マグネター)の喷出する2つのジェットのエネルギーによって辉く超新星。緑色で示されているのは、超新星の放出物质。
(右)脈動型電子対生成超新星(PPISN)の放出物質(緑)が、爆発前に形成された星周物質(紫)と衝突することによって明るく輝く。(クレジット:Kavli IPMU)
研究者のコメント
「今回すばる望远镜により発生直后の急速増光段阶がとらえられた贵叠鲍罢(あるいは贵叠翱罢)天体のように、ここ10年ほどの観测技术の発展により、宇宙は以前考えられていたよりもはるかに多様な突発天体?爆発现象で満ちていることが明らかになりつつあります。これまで见逃されていた様々な爆発现象の理论的な研究も急速に発展しています。突発天体の研究は黄金期を迎えつつあり、今后も理论?観测両面でますます発展していく分野であると考えています。」(前田启一)
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【书誌情报】
Ji-an Jiang, Naoki Yasuda, Keiichi Maeda, Nozomu Tominaga, Mamoru Doi, ?eljko Ivezi?, Peter Yoachim, Kohki Uno, Takashi J. Moriya, Brajesh Kumar, Yen-Chen Pan, Masayuki Tanaka, Masaomi Tanaka, Ken'ichi Nomoto, Saurabh W. Jha, Pilar Ruiz-Lapuente, David Jones, Toshikazu Shigeyama, Nao Suzuki, Mitsuru Kokubo, Hisanori Furusawa, Satoshi Miyazaki, Andrew J. Connolly, D. K. Sahu, G. C. Anupama (2022). MUSSES2020J: The Earliest Discovery of a Fast Blue Ultraluminous Transient at Redshift 1.063. The Astrophysical Journal Letters, 933(2):L36.
日刊工業新聞(7月19日 21面)に掲載されました。