予期せぬ場所から聞こえる飼い主の声にびっくり -ネコは耳で飼い主の位置を捉えている-

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 これまでの研究から、ネコが目に见えない物体について心の中でその存在をとどめておくことができることはわかっていましたが、そのような认知能力が実际の生活场面でどのように活かされているのかはわかっていませんでした。

 そこで、高木佐保 文学研究科?日本学術振興会特別研究員(現?麻布大学?日本学術振興会特別研究員)、千々岩眸 同教務補佐員(現?大阪大学特任研究員)、藤田和生 同教授(現?京都大学名誉教授)、黒島妃香 同准教授、荒堀みのり 野生动物研究センター 特任研究員(アニコム先進医療研究所株式会社研究員)、齋藤慈子 上智大学准教授らは、ヒトと住居を共にするネコを用いて、飼い主の声からその位置を心的に捉えるのかを調べました。

 ネコを部屋に1匹にし、その部屋に2つのスピーカーを设置しました。1つは扉の外で(スピーカー1)、もう1つは部屋の中に设置しました(スピーカー2)。スピーカー2は部屋内の窓や扉などの下に设置し、スピーカー1からは最低4m离れていました。饲い主の声でネコの名前を呼ぶ声を5回再生した后に、间髪いれずにスピーカー2から同じ音声を再生しました。6回目の音声再生后のネコの反応をヒト评定者が「どの程度惊いているか」に関して评定実験を行いました。ネコは饲い主の声がスピーカー2から再生される条件で、知らない人の声がスピーカー2から再生されるなどの他の条件よりも、惊いたと评定されました。このことから、视覚的には见えない饲い主の位置を心の中で捉えており、その位置が瞬间的に変わると「惊く」ということがわかりました。

 ネコは一般的にはイヌよりも饲い主に対する爱情がうすいといわれていますが、见えない饲い主の存在を心の中にとどめていることがわかりました。见えないものを心のなかにとどめておく能力は、创造力や想像力の基盘となる认知机能であり、ネコは考えられてきたよりも复雑な认知能力を有している可能性があります。

 本研究成果は、2021年11月10日に、国際学術誌「PLOS ONE」にオンライン掲載されました。

予期せぬ場所から飼い主の声が再生されて驚くネコ
図:予期せぬ场所から饲い主の声が再生されて惊くネコ
研究者情报
研究者名
藤田 和生
研究者名
黒島 妃香
研究者名
荒堀 みのり
书誌情报

【顿翱滨】

【碍鲍搁贰狈础滨アクセス鲍搁尝】

Saho Takagi, Hitomi Chijiiwa, Minori Arahori, Atsuko Saito, Kazuo Fujita, Hika Kuroshima (2021). Socio-spatial cognition in cats: Mentally mapping owner’s location from voice. PLOS ONE, 16(11) : e0257611.

メディア掲载情报

朝日新聞(1月17日夕刊 3面)に掲載されました。