瀬戸诚 复合原子力科学研究所教授、長尾道弘 米国標準技術研究所教授(メリーランド大学教授)、齋藤真器名 東北大学准教授らの研究グループは、二次元膜粘性の分子論的起源を解明しました。
生体膜は、细胞のさまざまな机能を支える构造体だと考えられています。膜の内部では构成分子が移动し、反応场を形成する必要があるため、これらの机能にとって膜の「流动性」が重要です。この流动性を决定する主要因は、膜内を移动する物体が感じる摩擦、すなわち粘性ですが、膜の厚さはわずか数苍尘(10-9尘)ととても薄いため、その粘度を测定するのは実験的に难しく、报告されている値には测定技术ごとに数桁の差があります。
本研究グループは、脂质分子の尾部(疎水性の炭化水素锁)の运动を中性子と齿线分光法で観察することにより、モデル生体膜の粘度を测定する新しい方法を开発しました。さらに本研究により、膜粘性の分子的起源は脂质分子が周辺の分子との相互作用によって受ける脂质分子间の摩擦であることが実証されました。脂质膜の粘性の起源を理解できたことで、将来的には创薬や生体膜机能の制御などに応用される可能性が考えられます。
本研究成果は、2021年8月12日に、国際学術誌「Physical Review Letters」に掲載されました。

【顿翱滨】
Michihiro Nagao, Elizabeth G. Kelley, Antonio Faraone, Makina Saito, Yoshitaka Yoda, Masayuki Kurokuzu, Shinichi Takata, Makoto Seto, Paul D. Butler (2021). Relationship between Viscosity and Acyl Tail Dynamics in Lipid Bilayers. Physical Review Letters, 127(7):078102.