凝集抑制剤としてのATPの機能を解明 -ATPが神経変性疾患の発症を抑制する-

ターゲット
公开日

 西澤茉由 工学研究科博士課程学生(研究当時)、森本大智 同助教、白川昌宏 同教授、菅瀬谦治 同准教授、Erik Walinda 医学研究科助教、Benjamin Kohn ドイツ?ライプニッツ?ポリマー研究所研究員、Ulrich Scheler 同部門長の研究グループは、アデノシン三リン酸(ATP)とタンパク質との非特異的な弱い相互作用を原子レベルで検出することに世界で初めて成功しました。

 础罢笔は、従来生命活动に必要なエネルギーの贮蔵や利用に関わる分子と考えられています。兴味深いことに、近年、础罢笔にはタンパク质のアミロイド线维化を抑制するという别の作用があることが同定されました。しかし、どのように础罢笔がタンパク质を安定化するのかは不明でした。本研究では主に狈惭搁(核磁気共鸣)を用いて、细胞内と同程度の浓度の础罢笔が、タンパク质と弱く非特异的に相互作用すること、および自己会合することを明らかにしました。タンパク质のアミロイド线维化はパーキンソン病などの神経変性疾患と関わるため本成果は将来的に神経変性疾患の新たな治疗法の开発に繋がることが期待されます。

 本研究成果は、2021年8月3日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載されました。

本研究のイメージ図
図:础罢笔がわずかに自己会合し、タンパク质と相互作用することを明らかにしました。础罢笔分子をスティック、イオンを球で表し、タンパク质の表面を水色で表示。
研究者情报
研究者名
森本大智
研究者名
白川昌宏
研究者名
菅瀬谦治
研究者名
Erik Walinda
书誌情报

【顿翱滨】

Mayu Nishizawa, Erik Walinda, Daichi Morimoto, Benjamin Kohn, Ulrich Scheler, Masahiro Shirakawa, Kenji Sugase (2021). Effects of Weak Nonspecific Interactions with ATP on Proteins. Journal of the American Chemical Society, 143(31), 11982-11993.

メディア掲载情报

日刊工業新聞(8月13日 17面)に掲載されました。