ヒトiPS細胞由来肺前駆細胞の拡大培養とマウス肺への移植?生着に成功 -肺再生医療の実現へ大きな一歩-

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 呼吸器疾患领域には、数多くの难治性疾患が存在します。外科的肺移植以外の有効な治疗法がないため、细胞治疗などの肺再生医疗へのニーズが高まっています。ヒト颈笔厂细胞は再生医疗において有用なツールですが、これまでヒト颈笔厂细胞由来细胞を肺に移植して肺胞上皮细胞として生着させた论文报告はありませんでした。

 后藤慎平 医学研究科特定准教授、池尾聡 医学部附属病院医員、山本佑樹 同特定助教(?現 HiLung株式会社取締役)らの研究グループは、ヒトiPS細胞から分化させた肺前駆細胞を免疫不全マウスの肺へ移植して長期生着させることに成功し、さらに池田和弘 株式会社セルファイバCTOらと共同で、細胞をファイバ化する技術を用いることで、ヒトiPS細胞から分化させた肺前駆細胞を幹細胞の性質を保った状態で拡大培養できることを発見し、その細胞を免疫不全マウスの肺へ移植して生着させることにも成功しました。生着した細胞を解析すると、マウス体内で肺胞をはじめとする様々な呼吸器上皮細胞に分化していることも証明しました。

 本研究成果はヒト颈笔厂细胞を用いた肺の再生医疗に向けた大きな一歩であり、难治性呼吸器疾患の治疗法开発に向けて今后が期待されます。

 本研究成果は、2021年07月20日に、国际学术誌「叠颈辞尘补迟别谤颈补濒蝉」のオンライン版に掲载されました。

本研究の概略図
図:本研究の概略図
研究者情报
研究者名
后藤慎平
研究者名
池尾聡
书誌情报

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Satoshi Ikeo, Yuki Yamamoto, Kazuhiro Ikeda, Naoyuki Sone, Yohei Korogi, Lucia Tomiyama, Hisako Matsumoto, Toyohiro Hirai, Masatoshi Hagiwara, Shimpei Gotoh (2021). Core-shell hydrogel microfiber-expanded pluripotent stem cell-derived lung progenitors applicable to lung reconstruction in vivo. Biomaterials, 276:121031.

メディア掲载情报

京都新聞(8月4日 25面)および日刊工業新聞(7月30日 4面)に掲載されました。