佐藤ゆたか 理学研究科准教授らと望月敦史 ウイルス?再生医科学研究所教授らの研究グループは共同で、ホヤ(我々ヒトとおなじ脊索動物門に属する海産動物)の胚を用いた実験によって、内胚葉、中胚葉、外胚葉に特有の遺伝子発現のパターンが構築される論理を数式(ブール式)で表すことに成功し、この時期の胚の遺伝子発現動態をまるごと再現することを可能にしました。
动物の発生は、受精卵という一つの细胞に始まり、细胞分裂を繰り返しながら様々な细胞が生じていきます。この过程でゲノム顿狈础にコードされたプログラムが次々に遗伝子を発现させていきます。例えば、多くの动物の発生では最初に内胚叶(消化管の组织などのもとになる)、中胚叶(筋肉や骨格などのもとになる)、外胚叶(皮肤や神経などのもとになる)といった种类の细胞ができますが、先述の遗伝プログラムがそれぞれの种类の细胞に特有の遗伝子を発现させます。この遗伝プログラムの理解は体系的に进んでおらず、特にその动态を胚の単位でまるごと再现することは困难でした。
本研究成果によって、动物の初期胚の遗伝子発现の动きがまるごと计算可能になり、遗伝プログラムのシミュレーション実験などの幅広い応用が期待できます。
本研究成果は、2021年年6月10日に、国際学術誌「Science Advances」に掲載されました。

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Miki Tokuoka, Kazuki Maeda, Kenji Kobayashi, Atsushi Mochizuki, Yutaka Satou (2021). The gene regulatory system for specifying germ layers in early embryos of the simple chordate. Science Advances, 7(24), eabf8210.