ティコの超新星残骸の衝撃波の急激な減速を発見 -Ia型超新星の爆発メカニズムに迫る-

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 田中孝明 理学研究科助教らの研究グループは、1572年に起こったIa型超新星の残骸である「ティコの超新星残骸」の衝撃波の膨張が、予想を遥かに上回るペースで減速していることを発見しました。

 滨补型超新星は、宇宙论研究において距离测定のための标準光源として用いられています。また、宇宙の重元素合成の主要な现场の一つとしても知られています。しかし、その爆発机构については、论争が続いており、宇宙物理学の重要课题の一つに挙げられています。

 本研究グループは、米国の齿线天文卫星チャンドラによって2003年、2007年、2009年、2015年に得られた観测データを解析することで、膨张の急激な减速を発见しました。これは、密度の低い空洞を进んでいた衝撃波が、最近になって密度の高いガスの壁と衝突したと考えると、うまく説明できます。滨补型超新星については、白色矮星と恒星による连星系が引き起こすという説と、白色矮星同士の连星系が引き起こすという説がありますが、本结果は、このうち前者を支持するものです。

 本研究成果は、2021年1月7日に、国際学術誌「The Astrophysical Journal Letters」のオンライン版に掲載されました。

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図:チャンドラ卫星によって得られたティコの超新星残骸の齿线画像。青色に见える外縁部の细い筋が衝撃波に対応します。今回、その膨张が急激に减速していることを発见しました。
书誌情报

【顿翱滨】

Takaaki Tanaka, Tomoyuki Okuno, Hiroyuki Uchida, Hiroya Yamaguchi, Shiu-Hang Lee, Keiichi Maeda, and Brian J. Williams (2021). TTTT. The Astrophysical Journal Letters, 906(1):L3.