量子もつれ光を用いた、超高分解能光断层撮影技术を开発

ターゲット
公开日

竹内繁樹 工学研究科教授、岡野真之 同特定研究員、岡本亮 同助教、栗村直 物質?材料研究機構主幹研究員ら、および西澤典彦 名古屋大学教授からなる研究グループは、量子もつれ光を用いた2光子干渉により、分解能0.54マイクロメートルに相当する2光子量子干渉縞を実現、また、群速度分散耐性を実証しました。本研究成果により、光断層撮影技術の分解能の飛躍的な向上が期待され、将来は緑内障などの早期診断など、医療分野をはじめとするさまざまな計測技術への波及が期待されます。

研究者からのコメント

左から竹内教授、冈本助教

量子力学の不思议さを象徴する「量子もつれ光」が、従来不可能であった计测を可能にします。今后は、1マイクロメートル以下の分解能をもつ量子光断层撮影装置を実现を目标に研究を进め、将来的に医疗をはじめさまざまな応用へとつなげられればと愿っています。ご兴味のある方は、ぜひご连络ください。

概要

光干渉断层撮影技术(光コヒーレンストモグラフィ)は、眼科分野において、网膜などさまざまな组织の诊断技术として急速に普及しています。さらに、肺や消化管の表层组织の断层撮影への応用も进められており、早期がんの诊断などへの検讨も进められています。より高い深さ分解能の実现は非常に重要です。例えば、网膜の厚みのより精密な测定が可能になれば、緑内障を発症前からその进行を予测することなども期待されます。

今回、本研究チームは非常に広い帯域を持つ量子もつれ光源を开発、世界记録となる、0.54マイクロメートルの分解能に相当する量子干渉縞を実现しました。これは、従来の光断层撮影の原理検証で记録されていた世界记録0.75マイクロメートルを超える値です。さらに、この超高分解能が、分散媒质(水)などによってほぼ影响を受けないことも実証しました。

今回の成果により、これまで5マイクロメートルから10マイクロメートルに制限されていた、光断层撮影の深さ分解能を大幅に向上させ、1マイクロメートルを切る分解能をもつ量子光断层撮影装置の开発が期待されます。それにより、网膜の厚みの高精度モニタリングによる緑内障の発症前诊断の実现などが期待されます。

実験结果

详しい研究内容について

书誌情报

[DOI]
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Masayuki Okano, Hwan Hong Lim, Ryo Okamoto, Norihiko Nishizawa, Sunao Kurimura & Shigeki Takeuchi
"0.54 μm resolution two-photon interference with dispersion cancellation for quantum optical coherence tomography"
Scientific Reports 5, Article number: 18042, Published online: 14 December 2015

  • 京都新聞(12月16日 23面)および科学新聞(1月1日 4面)に掲載されました。