视线が无意识で注意をそらす神経メカニズムを解明

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佐藤弥 医学研究科特定准教授らの研究グループは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を計測し、それた視線およびまっすぐな視線を、無意識的な閾下(サブリミナル)および通常の意識的な閾上で呈示した結果、閾上条件でも閾下条件でも、それた視線に対して、下頭頂小葉?中前頭回といった大脳新皮質の脳部位が強く活動することが分かりました。これらは、注意の移動に関わることが知られている脳部位です。また、閾下呈示の場合に特に、それた視線に対して、上丘?扁桃体といった皮質下の脳部位が活動することも示されました。

本研究成果は2015年9月末に米国科学誌「狈别耻谤辞滨尘补驳别(ニューロイメージ)」誌のウェブサイトに速报版として掲载されました。

研究者からのコメント

目は「心の窓」で、ヒトのコミュニケーションに欠かせません。本研究は、视线により无意识で注意がそれる神経メカニズムを世界で初めて明らかにするものです。今回の研究成果を基にして、自闭症スペクトラム障害での视线処理の问题の神経基盘を解明する、といった展开が期待されます。

概要

视线は、ヒトのコミュニケーションに欠かせない手段です。皆さんは、他人のそれた视线を见ると、ついつられて视线の方向に注意がそらされたことはないでしょうか。佐藤特定准教授らのグループは以前行った行动実験において、この视线による注意の移动が、无意识(视线が见えないサブリミナルの状况)でも起こることを発见していました。しかし、无意识の视线による注意の移动がどのような脳のメカニズムによって起こるのかは不明でした。この问题を検讨するため、同グループは、机能的磁気共鸣画像法(蹿惭搁滨)を计测しました。それた视线およびまっすぐな视线を、无意识的な閾下(サブリミナル)および通常の意识的な閾上で呈示しました。

その结果、閾上条件でも閾下条件でも、それた视线に対して、下头顶小叶?中前头回といった大脳新皮质の脳部位が强く活动することが分かりました。これらは、注意の移动に関わることが知られている脳部位です。また、閾下呈示の场合に特に、それた视线に対して、上丘?扁桃体といった皮质下の脳部位が活动することも示されました。これらの领域は、无意识での视覚情报処理を担当していると考えられています。こうした结果から、无意识の视线による注意シフトを実现するために、意识的な场合と共通する注意の脳内ネットワーク、さらに意识的な场合とは异なる脳内の别の情报処理経路が関与していることが示唆されます。

閾下条件で特に、それた视线に対する强い活动。无意识で视覚情报を処理する経路と提案されている扁桃体(左)と上丘(右)が活动した。

详しい研究内容について

书誌情报

[DOI]

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Wataru Sato, Takanori Kochiyama, Shota Uono, Motomi Toichi
"Neural mechanisms underlying conscious and unconscious attentional shifts triggered by eye gaze"
NeuroImage, Volume 124, Part A, Pages 118?126, 1 January 2016