総长谈话「人文?社会科学を生かした新しい学问世界の构筑を目指して」を発表しました(2018年3月30日)

公开日

本学は文部科学省より2017年6月30日に「指定国立大学法人」の指定を受け、 人文?社会科学の未来形の発信、文理融合による新学術領域の創成が期待されています。
まずは総长より、本学がこれから人文?社会科学分野のけん引役を担うに当たってのメッセージを発信します。

総长谈话:人文?社会科学を生かした新しい学问世界の构筑を目指して

世界は今、大きな文明の岐路に立っています。1万2千年前に农耕?牧畜による食料生产が始まり、数百万年に及ぶ狩猟採集生活は一変して、定住と人口増大による大规模で重层的な社会システムの形成が进みました。18世纪后半には产业革命がおこり、工业化による产业构造の大転换によって都市に人口が集中するようになりました。そして、20世纪中盘に起こった情报革命によって通信技术や输送技术が大幅に进歩し、人や物が国境を超えて移动するグローバルな世界が形成されました。そして、21世纪を迎え、遗伝子组换え技术やゲノム编集技术などによる人间を含む生物の改変、ビッグデータの解析や人工知能の开発による超スマート社会の到来によって、个人を基盘に置いたヒューマニズムと市民社会という概念が大きく揺らいでいるのです。

一方、人新世础苍迟丑谤辞辫辞肠别苍别という新しい地质年代区分の提唱に示されるように、过度な工业化や原子力などの新しいエネルギーの登场が大规模な陆上?海洋生态系の変化を引き起こし、地球を存続の危机に追い込んでいます。大规模な森林伐採による生物多様性の消失、有毒な化学物质による汚染、过度な开発による河川や湖の枯渇などによって、地球环境が回復不可能なほど劣化しています。2015年に採択されたパリ协定は、产业革命前からの世界の平均気温上昇を「2℃未満」に抑えることを目标に定めています。これから私たちは人间活动をどう制御して豊かな未来を作るかを真剣に考えていかねばなりません。

现在、人间の活动は自然环境に大きな影响を及ぼすようになっており、人间の社会や政治も自然と复雑に络み合っていて、これからの学问は自然と文化、自然科学と人文?社会科学という境界を越えて総合的な视野に立っていかねばなりません。これからの科学技术は、人间だけの生存や繁栄を目指すのではなく、人间と他の生命が共生できるエコシステムの创生を図らねばなりません。新しい思想や技术がどのような产业と结びついて世界を作るかが、今注目されています。これからの大学はその协働の中心となるでしょう。

京都大学はすでに多様な知の集合体として、新しい学问を创出してきました。京都学派と称される西田几多郎や田辺元は人间を超えて生命の本质を探究し、今西锦司に始まる霊长类学は人间以外の生物に社会を想定して种のつながりと调和を追い求めてきました。今年25周年を迎える総合人间学部と人间?环境学研究科は、文理の枠を超えて人间と环境を考える新しい学问领域を拓いています。歴史ある人文科学研究所、东南アジア地域研究研究所を始め、アジア?アフリカ地域研究研究科、地球环境学堂、こころの未来研究センターなどでは、人文?社会科学の研究者が自然科学研究者と対话をしながら世界中に研究の轮を広げています。

昨年、京都大学は文部科学省より「指定国立大学法人」の指定を受け、とくに「我が国の人文?社会科学をけん引すること」が期待されています。これを机に、京都大学はこれまでの多様な知の蓄积を生かし、人文?社会科学の思考を広げて国公私立大学の垣根を越えて、社会や世界に开かれた窓となって新しい知の创造を呼びかけようではありませんか。

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