医学部附属病院で国内で初めて製造された移动型颁罢手术支援システムの稼働を开始しました。(2015年4月8日)

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医学部附属病院では、高度な外科医療を支援できる術中画像診断システムとして統合型高性能画像診断サーキットintegrated Smart Imaging Circuit (iSIC)を手術室に設置する事業を進めています。今回、その一環として、国内で初めて製造された高精度移動型術中CTが稼働しました。

颁罢(コンピューター断层撮影法)は、短时间に身体を轮切りした断面像を撮影できるため、日常诊疗で重要な検査机器です。しかし、机器自体は非常に大きいために颁罢検査室で撮像する必要があります。国内で手术室に设置されている术中颁罢も大がかりな设备であり、患者さんを検査室に运ぶ必要があります。そこで、临床の现场、特に手术室では、简便に颁罢撮像できる机器の开発が待望されていました。海外では、早くから颁罢検査器の小型化、移动型の开発が进んでいますが、未だ使い胜手がよくて高画质の撮像が可能な机器はありませんでした。

今回、医学部附属病院が导入した移动型颁罢手术支援システムでは、国内で初めて开発された移动型颁罢撮像机、最新のナビゲーションで构成されます。移动型颁罢は、人一人で移动が行え、高画质な颁罢撮像が可能です。得られた断面像を再构成し、高精度の3次元立体画像を即座に提示することができ、手术中の状况を即座にナビゲーションと连动させて手术支援を行うことも可能になります。手术中に颁罢でリアルタイムに术中诊断を行うことは、手术精度の向上、合併症の回避に非常に有用です。

医学部附属病院では、今回导入する移动型颁罢手术支援システムと、既に稼働している次世代型ハイブリッド手术室と高磁场3テスラ惭搁滨手术室を连携させることで、治疗に伴う患者さんの负担軽减と机能改善?温存を目指して、治疗困难な疾患に苦しむ患者さんの治疗に取り组んでまいります。

手术室の设备について

移动型颁罢撮像装置

アーム型X 線CT 診断装置 3D Accuitomo M(モリタ製作所)は、容易な移動と高画質CT撮像を目的に、国内で初めて開発された装置です。従来のCTと異なり、CT装置を患者さんの手術部位に移動させて撮影を行うため、あらゆる手術状況に応じた撮像が可能です。院内のPACS画像サーバー、ナビゲーションと連動するシステムを持つことで撮影した画像を瞬時にナビゲーションに送信し、手術支援を行うことが可能です。

ナビゲーションシステム

手術中のナビゲーションとなるKick EM、Kickシステム(Brainlab社)は、頭部、顔面、脊椎?骨関節仕様の3台で構成されます。術中に得られたリアルタイムのCT画像情報を3次元構築し、病変のより詳細な位置の同定や危険部位の認識を支援します。さらに術前の画像情報と統合し融合画像を作成し、治療の正確性をさらに高めることが可能となります。また、磁場式ナビゲーションでは、さらに複雑な領域での手術支援が可能です。

移动型颁罢手术支援システムで可能な疾患および治疗法

移动型颁罢手术支援システムでは、次のような疾患に対する治疗が可能となります。

下垂体腺肿(脳神経外科?耳鼻咽喉科)

下垂体腺肿は、下垂体にできる良性の肿疡です。原発性の脳肿疡の中で、3番目に多い肿疡です。手术治疗には、経蝶形骨洞手术といって、鼻の奥から摘出する方法と、开头手术で摘出する方法とがあり、肿疡の大きさや形状で使い分けます。鼻の奥から摘出する场合は、内视镜を用いて手术を行います。鼻の奥での操作であり、肿疡摘出程度や肿疡周囲状态を十分に确认するのが难しい场合がありますが、移动型颁罢手术支援システムを用いることで、适切なアプローチ、确実な肿疡摘出が可能となります。

头盖底病変、脊椎病変など(脳神経外科?整形外科)

头盖底病変、脊椎病変では、骨情报を确认しながら手术を行う必要があります。移动型颁罢手术支援システムは、骨切除、骨固定を正确に行う场合に非常に有用です。とくに、头盖底、脊髄の病変に対する手术では、患者さんの负担を軽减するために创部を小さくする倾向にあり、肉眼的に确认できる范囲が狭くなります。移动型颁罢手术支援システムでは、リアルタイムに病変部とその周辺の构造物を确认できるため、安全に十分な治疗を行うことが可能となります。

头颈部肿疡?感覚器疾患(耳鼻咽喉科)

头颈部肿疡は、颜面头盖から颈部に生じた肿疡です。この领域には颈部、口腔、咽头、喉头、耳侧头骨、鼻副鼻腔などが含まれるため、头颈部肿疡の治疗では、肿疡の根治性とともに、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚と、呼吸、発声、嚥下などの机能を保つことが重要となります。头颈部の深い部分に生じた肿疡の治疗では、これらを両立させることは容易ではありませんが、移动型颁罢手术支援システムで肿疡の范囲を确认し、ナビゲーションシステムにより手术で触っている部位を确认することで、机能を温存しつつ十分な根治性を保った手术が可能となります。また人工内耳挿入术や鼓室形成术など、手术が机能的な回復をもたらす手术において、手术中にその正确性を判断して机能回復の程度を予想することが出来ます。

骨?関节病変、手指病変(整形外科?形成外科)

骨?関节病変、手指病変の手术では、骨?関节に対して、正确な手术操作が必要です。手术操作を加えている骨?関节の状况を术中に确认することで、精细な治疗効果と合併症の回避につながります。移动型颁罢手术支援システムを用いた手术では、骨?関节、手指の状况をリアルタイムに、かつ详细で解剖学的な情报によって支援されることで、これまで困难とされた手术に取り组むことが可能となります。

诊疗体制について

医学部附属病院では、各诊疗科の医师、看护师、临床工学技士、诊疗放射线技师で构成される医疗体制の强化により、各诊疗科に関わるような悪性肿疡疾患などの治疗をチームで担当し、より安全な治疗を患者さんに提供できる体制が确立しています。

移动型颁罢撮像装置

鼓室形成の移动型颁罢画像

上肢肘関节部の移动型颁罢画像

関连部局