このたび、中村和弘 学际融合教育研究推进センター准教授が日本学士院学術奨励賞を受賞することになりました。
同赏は、优れた研究成果をあげ、今后の活跃が特に期待される若手研究者に対して与えられるもので、日本学术振兴会赏を受赏した研究者の中から6名以内が选ばれるものです。
授赏式は平成27年2月に日本学士院で行われる予定です。
以下に、中村准教授の略歴、业绩を绍介します。
中村准教授は、平成9年京都大学薬学部を卒業、同14年同大学大学院薬学研究科博士後期課程を修了し、同年博士(薬学)の学位を授与されました。日本学術振興会特別研究員、米国オレゴン健康科学大学博士研究員を経て、平成21年に京都大学 学际融合教育研究推进センター 生命科学系キャリアパス形成ユニット 特定助教に採用され、平成25年に同講師、平成26年に同准教授へ昇任となり、現在にいたります。
今回の受赏は、体温调节を含めた生体の温热恒常性をつかさどる中枢神経机构の研究の成果が评価されたことによるものです。
人间を含めた恒温动物の体温の调节は、多様な温度环境を生きる上で必须の生体机能です。中村准教授は、生理学と解剖学の解析手法を多面的に駆使し、皮肤で感知した环境温度の情报を脳の体温调节中枢へ伝达する神経経路を発见しました。これは意识の上で温度を感じる仕组みとは异なり、无意识下での体温调节に必要な新规の温度感覚伝达経路です。さらに、温度情报を受けた体温调节中枢が体温维持の生理反応を惹起させる指令を末梢の热产生器官などへ伝达する神経回路を解明しました。感染や心理ストレスを受けたときには、この神経回路が指令して発热を惹起させることで生体防御に机能することも証明しました。
生体の恒常性维持を担う脳の基本的な仕组みを解明したこれらの研究は国际的に高い评価を受けており、同准教授は平成26年に米国生理学会から若手研究者最高の赏を受赏しました。今后、肥満や心因性発热などの病态の克服に向けた医学的に重要な研究へ大きく発展することが期待されることから、今回の受赏の対象となったものです。