エチオピアでは道路が整备されていないために、アクセスが困难な农村地域が多くあります。その原因の一つが、アフリカ大陆に広く分布する膨张性粘性土です。この问题土は雨季に泥泞化し、乾季には隆起するため、その上に道路を敷设しても、通行性の障害や构造物への损害を频繁に起こします。このような「道路灾害」は、社会経済活动を妨げ、その被害额は地震や洪水などの自然灾害よりも大きく、世界中で年间数百亿ドルにもなると言われています。
工学研究科では、エチオピアにおける道路灾害の低减に向け、在来植物を原料とした土质改良剤の开発し、农村部における対策手法を构筑する研究事业が新たに立ち上げられました。本事业は、国际协力机构(闯滨颁础)および科学技术振兴机构(闯厂罢)の支援による地球规模课题対応国际科学技术协力プログラム(厂础罢搁贰笔厂)「エチオピア特殊土地盘上道路灾害低减に向けた植物由来の土壌改质剤の开発と运用モデル」として実施されます。国内からは本学の工学研究科およびアフリカ地域研究资料センター、宫崎大学、爱媛大学、名古屋工业大学が参画し、エチオピアのアディスアベバ科学技术大学(础础厂罢鲍)、ジンカ大学、エチオピア道路公社とともに2019年度から共同研究を5年间行う予定です。
研究代表者である木村亮 工学研究科教授は、このたびエチオピアで調査候補地を視察し、AASTUと共同研究協定を締結しました。木村教授は、福林良典 宮崎大学准教授ともに、土のうを用いた道路復旧手法を多くの発展途上国で普及してきました。エチオピアでは既にAASTUの研究者と協同し、土のうを用いた道路整備を試験的に実施しています。本事業では、同国でも発展が遅れている南部諸民族州の農村部を対象とし、現地で入手できる植物を利用したセルロース系土質改質剤を開発することを目指します。また、同州で長年研究を続けてきた重田眞義 アフリカ地域研究資料センター教授および金子守恵 同准教授も協力し、新しい土質改質剤を用いた農道の試験施工を地域の行政?コミュニティーと連携しながら行う予定です。
9月6日にAASTUで開催された共同研究協定の調印式には、Nurelegne Tefera 同大学長に加え、Gebre Yntiso Deko ジンカ大学長も参加しました。両学長とも、同国内で比較的新しい2大学がSATREPS採択事業に参画する意義を強調し、共同研究を通じて人材育成や実験技術の習得を期待したいと述べました。木村教授も、「本事業が成功するには、国際開発事業でよく言われるPDCA(Plan, Design, Check, Action)ではなく、QMPI(Question, Mission, Passion, Innovation)が必要だ」と述べ、両国の研究者が使命感と情熱を共有してこそ、課題解決へのイノベーションが起こると力説しました。
现地视察に赴く木村教授と福林准教授
土のうで整备された础础厂罢鲍近郊の道路
调査候补地である南部诸民族州の农村
共同研究协定调印式の様子