本学の出口康夫文学研究科教授を中心としたグループが、日立京大ラボ(日立未来課題探索共同研究部門)と、我が国が目指すべき未来社会「Society 5.0」に関する共同研究の開始を発表しました。
本共同研究では、Society 5.0の実現に向けて、ITシステムの社会実装に伴う哲学的?倫理学的な諸問題を顕在化させるとともに、社会事象の研究パラダイムを、従来の説明?予防型から診断?介入?予後予想型へとシフトさせることを目指しています。その第一歩として、本年4月7日と8日に開催される応用哲学会第10回年次研究大会においてワークショップ「Society 5.0を応用哲学する:ITシステムと社会規範」を開催します。
左から、工藤泰幸 産官学連携本部?日立京大ラボ主任研究員、出口教授、大塚淳 文学研究科准教授、加藤猛 産官学連携本部?日立京大ラボ特定准教授
研究者からのコメント
科学技术の急速な発展は、これまで、私たちの社会を、そしてその中で営まれる人々の「生」を大きく変えてきました。しかし础滨やロボット、ビッグデータといった滨罢のニューウェーブが、かつてないほど深く、そして広范囲にわたって私たちの日常生活に浸透しつつある今日、事态は新たな局面を迎えています。このような认识を共有する哲学者と技术者が、2017年10月から共同研究を始めました。
実験室(ラボ)で完成された新技术は、いよいよ社会実装される段になって、初めて様々な哲学的?伦理学的论争を巻き起こします。そういったこれまでのパターンと异なり、この、文学研究科の応用哲学伦理学教育研究センター(颁础笔贰)と日立京大ラボとの共同研究では、まさに新たな滨罢システムが生み出されようとしているその现场(ラボ)で、哲学者と技术者が侃々諤々の议论を交わすという、これまで无かった光景が繰り広げられています。技术が社会に出て行った后に问题に気づくのではなく、様々な思考実験を通じて、滨罢技术の可能性と危険性を洗い出し、それがどのような社会をもたらしうるのかを见极めることで、よりよい社会と技术の共进化をあらかじめデザインする。そういった、产学协同や文理融合の新たなフェーズが、ここでは始まっているのです。